ミス・モノクローム -The Animation- 3 #12「DISTRESS」ハッカドール THE・あにめ~しょん #12「魔法少女Lovely Hurt?」影鰐 #12「漆黒」



冬の雪山には着ぐるみが必需品な遭難回。ツアーで訪れた北海道公演も何事もなく無事に終わり、一人札幌に残ってPRを続けるモノクロームさんの知名度は着実に向上している!はずなんだけどそっちが全然本題にならない展開に発展するのが流石である。スキー場で出会ったモノクロームのファンである北海雄の登場から始まった怒涛のフルネーム連呼が面白すぎてお腹痛い。
フィアンセの北海道子と会話する時でも互いにフルネームで呼び合うし、まったく名前を言う必要性がないのに無理やりにでも名前を挟んでゴリ押ししてくることに、いっそ清々しさのようなものすら感じてしまう。アンドロイド故に言われたままフルネームで呼ぶモノクロームさんと、特別な間柄にあるはずなのにフルネームで呼び合う二人のニュアンスに差が生じ、フルネーム連呼の面白さに拍車をかける。
同じスキー場に来ているフィアンセと何故か別行動を取り、遭難した道子をモノクロームが救出に向かう際にも、着ぐるみを脱いでいけばいいのにと思ったのにまさかそれがオチの布石とは…。備えあれば憂いなし。子守唄で道子を寝かしつけた時は殺す気か!って思わず突っ込みたくなったけど、極寒の雪山で寝ても生還できる着ぐるみの性能アピールに繋がっているのだから空恐ろしい。
感動の再会シーンにおいても互いにフルネームで呼び合う婚約者同士のやり取りで、もう色々と堪えきれなくて駄目でした。道雄役の松岡くんの怪演あっての面白さな気もしますがwしかしモノクローム着ぐるみが評判となって結果的に知名度が上がったのは良いことなんだけど、一応最終回直前なのにこんな内容でいいのだろうかと。いや、ミス・モノクロームだからいいか(笑)



今回ハッカドールの皆さんが捗らせることになった相手は変身ヒロイン?可愛らしいコスチュームを身に纏い拳一つで戦う様は如何にもな展開ながら王道でもあり、味方側だけでなく相手側の思想に共感して闇堕ちならぬ悪の女幹部コスも披露してくれて一粒で二度美味しい。触手系怪人を相手にサービスを忘れない2号ちゃんと細かいところにも隙はない。
ラブリーピンクが持っていた魔法少女もののステッキ、ウルトラマンもビックリの巨大化を遂げて街を破壊した4号ちゃんと、変身ヒロインものの定番要素や特撮要素を散りばめつつ、最後は変身ヒロインでも特撮の戦隊でもなくプロレスの興行に持っていく強引な力技による締め方に脱帽するしかない。よくぞこれだけの要素を短い時間の中に詰め込んで成立させたなと。
街をよりよくするために動いていた怪人側の活動を毎度ヒロイン側が妨害していたという時点で色々とアレなのだが、そんな細かいことは傷ついた大佐に優しく手を差し伸べる1号ちゃんの笑顔で全て吹き飛ばされてしまうのである。もう今回は天使のような1号ちゃんを見られただけで良しとしよう。しかしモノクロームさんでも思ったけど最終回前がこれでいいのか。ハッカドールだからこれでいいか!



番場先生散る!?急転直下な物語の種明かし回。影鰐や奇獣のルーツ、木村が所属する謎の製薬会社の実態と目的等々。これまでバラバラに散りばめられ繋がりそうで繋がらなかったそれぞれのピースが一つに繋がり、大きな流れとなって収束していく様が心地いい。時代が変わり技術が進歩しても人の愚かしさや浅ましさは変わらないと言わんばかりの木村の最後の醜悪さも本作の作風には合っている。
秘密裏に建造された研究施設に人類の手に余る化け物を生体兵器として利用するため管理下に置く。これだけでコントロールしきれなくなって壊滅的な被害を受けるフラグがビンビンなわけだが案の定こうなった。兵器利用という点で影鰐のクローンの生成理由は昔の部族間抗争で生まれた誕生の経緯と重なる。ここに歴史は繰り返すという人間の愚かさが体現されているようにも感じます。
これまで常に余裕の態度を崩さなかった木村が一転、影鰐が暴走した途端に人間臭い醜悪な部分を曝け出しているのが印象的。人間の業が生み出したと言える影鰐。故に今作のテーマはここにあるように思えた。
今回の騒動の引き金となったサトルは虐められ人間に対する負の感情から奇獣と同化し、復讐を果たした。その彼が木村を見逃すとは思えない。また番場先生はオリジナルの影鰐の一部が身体に入り込んでいることが前回の話で明かされている。故にサトルと同様にクローンと同化し復讐に走る可能性もあれば、違う道を選択する可能性もある。
変わらない人間の愚かさ、歴史は繰り返すという流れがあるので、この騒動の決着もかつての部族間抗争と同じく関係者の全滅を持って収束しそうだが果たしてどうなるか。影鰐は最終回直前らしく正統に話を盛り上げてきているだけに、どのように物語を収束させるのか純粋に楽しみなのです。最終回を心して待つばかり。
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