魔法少女なんてもういいですから。 #12「僕は、ゆずかの親友になる」痛い所を突かれた時こそ人は饒舌になるもの。
ゆずかが地味に気にしていたこととは…。


学業優秀で家庭環境にも問題がないゆずかが指摘された唯一の弱点。ミトンの友達少ない発言から一気に取り乱し、これまでで一番饒舌かつ熱くなるゆずがの反応が見ていて面白い。魔法少女の正体がちやや母みよこにバレたとき以上に取り乱しているゆずかの姿からも、友達が少ないという事実を如何に気に掛け、また触れられたくないこととして認識しているのかがよく伝わってきます。
何かをごまかしたり真実から目を背けたい時ほど、屁理屈をこねてでも取り繕おうとしたくなるもの。数少ない友達の名を挙げ、友達の定義にまで踏み込む必死なゆずかの気持ちも痛いほどよく分かるのです。そのゆずかの必死な切り返しを冷静な一言でバッサリ切り捨てるミトンの返しが、結果的にことごとくゆずかを煽る形になっていたのは流石である。ミトンさんは最後までミトンさんのままだった。
ただ魔法少女が戦うべき敵は既に倒してしまい魔法少女の存在意義が問われたこともあった本作。マスコットであるミトンも例外ではなく、そのミトンが最後に契約者であるゆずかとどうなりたいのか。この後に何をしたいのかを見出す形に持っていったのが良かったです。学校で唯一のゆずかの友達、ちやへの相談からそれに気が付くというのが今回の話、ひいては今作のテーマに沿っているとも思います。
最終回だけど今回は魔法や変身、コスチュームに関する話題は一切出ていないのですよね。ゆずかの日常生活の中で友達という要素に焦点を当てて話が進行している。魔法少女ものながら日常生活に重きを置いた本作ならではの締めの回だったように思えました。最後にミトンがゆずかに向けた言葉に対する返答も、バッサリ切り捨てたのか受け入れたのか。
いつもの黒ゆずかであれば前者だが、彼女にとっては気にしているデリケートな問題。年齢だけでなく種族を超えても友達を増やしたい思いが、ゆずかにあればもしくは…。なんて妄想の余地を残したのも一興だった気がします。序盤の頃に本作に期待したまったりした空気を壊すことなく、ありふれた日常の中に魔法少女の要素を融合させた良い作品だったのではないでしょうか。戦わないし特別な使命も持たない魔法少女。こんな世界があっても良い!


変身シーンがないためシャワーシーンでサービス成分を補填する抜かりのなさ。これも日常描写にこそ重きを置いた本作ならではないかという無理やりなこじつけ!最後まで良いものを見せて頂きました。
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